宮ノ本遺跡(地図⑦)

流雲文縁一仙五獣鏡(左)と四仙騎獣八稜鏡(右)
宮ノ本遺跡の説明版(太宰府西小学校校庭)
宮ノ本遺跡1号墓(左)と出土した買地券(右)

昭和54(1979)年以来、太宰府西小中学校周辺で古墳時代の古墳をはじめ、古代の墳墓群や須恵器窯、竪穴住居などが混在する大規模な遺跡が見つかりました。
古墳時代の墳墓からは後漢鏡といわれる銅鏡(流雲文縁一仙五獣鏡)が発見され、この地域の有力者の権威と大陸の繋がりをあらわしています。
また、平安時代の墳墓からは、正倉院に伝わる鏡と同じ文様を配した銅鏡(四仙騎獣八稜鏡)や有名な買地券が発見されています。
これらの鏡や買地券は、大宰府の高級官僚が埋葬されたことをうかがわせるものであり、中国大陸や朝鮮半島との交流や都との深い繋がりがあったことを示しています。
━ 買地券 ━
買地券とは、墓地を神から購入した証明書のことをいい、中国では漢代より死者とともに墳墓に埋葬する風習がありました。
発掘調査で買地券が出土したのは太宰府市の宮ノ本遺跡の例が日本では唯一です。
8世紀後半から9世紀中頃とみられる火葬墓の中から出土した鉛板には、死者の息子好雄が父を埋葬するために、銭・鍬・絹・布・綿を代価として墓地を買い求めた旨の墨書が確認されています。

【原文】
□□戊□死去為其□坐男好雄□縁之地自宅□□方有
其地之寂静四方□□□可故買給方丈地其直錢貳拾
伍文鍫一口絹伍尺調布伍□白綿一目此吉地給故霊平
安静坐子々孫々□□□全官冠□禄不絶令有□七珎

【読み下し文】
死去した父親の霊魂の坐する墓地として、息子の好雄は自宅の□□の方角にある父親ゆかりの地が静寂であることから、その土地を買った。
その値は銭二十五文・鍬一口・絹五尺・調布五□・白綿一目である。
この良い地を得たことで霊は安心して心静かに居られ、子々孫々まで繁栄をもたらしてくれるであろう。